無過失補償制度の拡充・発展を−日医総研(医療介護CBニュース)

 日本医師会総合政策研究機構はこのほど、医療事故に関する民事訴訟では「過失責任主義」が限界を迎えているなどとして、無過失補償制度を拡充・発展させていくべきとするワーキングペーパー(WP)を公表した。

 WPでは、医療事故に関する民事訴訟について、手技ミスなどによる「作為型」から、医療水準に沿った適切な治療をしなかったといった内容の「不作為型」にシフトしていると指摘。また、従来では因果関係が認められなかった事案でも、患者の「期待権」を侵害したとして精神的損害を賠償する事例が増加してきたとした。

 さらに、1976年から2005年までに判決が出た裁判例8例を基に、適切な医療行為であっても、患者の救命確率が高くない場合や、延命しか期待できない場合には、患者を救済するための法理が展開されてきたと分析。この典型が患者の「期待権」法理であるとした。
 しかし「期待権」については、「学説の議論も十分なされているとはいえない」などと指摘。その上で、法理論的に「期待」という主観が法的保護に値するかは大いに疑問との見方を示し、「期待権」が認められてきたのは患者や家族の救済のためであり、「ある意味で司法制度の限界を意味するもの」とした。

 この解決策として、司法救済だけでなく、無過失補償制度や医事審判のための新制度なども検討課題とし、過失責任の狭い枠にとどまるのではなく、「社会連帯」の視座から患者救済を図る方策を考案する必要性を強調。昨年1月から始まった医療分野初の無過失補償制度である「産科医療補償制度」については、可能であれば拡充し、なるべく多くの診療科、患者や妊婦などが救済される制度に発展させていくべきとした。また、医療事故に関する民事訴訟の特殊性などを踏まえつつ、無過失補償制度の拡充を含めた医療の発展に寄与できる仕組みについて議論をさらに深めていく必要があると指摘した。


【関連記事】
産科補償制度、初年の補償対象者は12人―診断医に迷いも
原因分析「医療側の考え方で進めるしかない」―2009年重大ニュース(8)「産科医療補償制度」
医療事故調、「厚労省案」は「推奨していない」―足立政務官
医療事故調の早期設立訴えシンポ−医療過誤原告の会
「医療制度全ての基本法」で患者の権利保障を

モンスターペアレント対策で手引書 都教委 7万部、全教員に配布へ(産経新聞)
<飲酒運転>懲戒の警察職員が倍増20人(毎日新聞)
中名生理事長が辞意=任期途中、後任は公募−国民生活センター(時事通信)
前原氏「自浄能力必要」=千葉氏「刑事責任なら重い」−小沢氏進退(時事通信)
山崎拓氏らに参院公認見送り正式通知(産経新聞)
[PR]
by nqmc2v6idu | 2010-02-06 06:29
<< 妻暴行死で夫に実刑=弁護人「裁... 江戸川区が全校に読書科新設へ(... >>